2010年08月12日
今日は「ワン・メー・ヘン・チャート」
毎年のことながら、本日8月12日はタイ国内の重要な年中行事である 「ワン・メー・ヘン・チャート」です。
「ワン・メー」はその名の通り 「母の日」ですが、この日が「母の日」になっているのは、現・王妃の誕生日だからなので、普遍的なものではありません。(不敬罪に当たりそうなので、大きな声では言えませんが、数十年後には別の日になっていることも考えられます。)
タイの「母の日」は、王妃の誕生日なので、国内の祝典行事でまず、国王・王妃賛歌が歌われますが、基本的にはそれぞれ自分の「母」を敬い感謝する日です。
しかし、12月5日の 「ワン・ポー・ヘン・チャート」は国王の誕生日ですが、こちらは、もう100%国王のみを敬い崇める日で、一般の「父」に対する感謝は、微塵もありません。
毎年、この違いは何だろう・・・?と思うのですが、これは、「タイの国王がそれほど国民の崇拝を受けているから・・・」ということもありますが、「タイは基本的に女系社会なので、タイの父親の尊厳が、母親に比べてほとんどない?」と言うことだと思っています。
理由はともあれ、「ワン・メー」は毎年、学校行事があり、今年も相変わらず出かけてきました。
(本来は12日が「ワン・メー」なのですが、当日は休みになるので、前日に行われます。)
まず、朝の8時半前には、ほとんどの児童のお母さんまたは、伯母さん、お祖母ちゃんが学校に集まりました。
本来なら、どの子もお母さんが来るのが理想なのですが、現実には本当のお母さんと暮らしている子供は、半数以下です。
親がバンコクや外国に出稼ぎに行ったり、すでに亡くなっていたり、両親が離婚して、お祖母ちゃんに預けられている・・・などという子供が半分以上います。
でも、皆、本当のお母さんのように暮らしているので、お祖母ちゃんだろうが、伯母さんだろうが、「母」として感謝しています。
私自身は、我が子ほど大事なものはないと思っていますが、最近の日本の事件や、タイでも多い、育児放棄するような親の元にいるよりは、親戚はもちろん、たとえ赤の他人だとしても、愛情を持って育ててくれる方がいいのかも知れません。
まず、行事が始まる前に、ワン・メーに関する作品で、賞を取った児童たちの展示物を見て回ります。

今回は、次男も王妃の絵を描いて、2位をもらいました。
他にも、母に関する感謝や、母の偉大さを表現した絵が並びます。
校長先生の挨拶で、行事が始まると、まずは、「国王・王妃賛歌」の合唱です。(「コーデチャー・・・」と言う出だしのテンポの良い曲です。)
日本では、教師が「君が代」を歌うとか歌わないとかよく問題になりますが、ここタイではそういうレベルではありません。
国歌や国王賛歌を歌うのはタイ人として当然のこと。
疑問に思うどころか、皆が競って喉が嗄れるのでは?とこちらが心配したくなるくらいの大声で、大人も子供も大合唱です。
特に、低学年の子などは、「わかったから、叫ぶなー!!」とこちらが叫びたくなるような調子です。
そして、ワン・メーと言えば、「プレーン・カー・ナム・ノム」(「ありがたき母乳の歌」?)。
ちょっと変な訳ですが、内容は、「お母さんが、自分を産んで、母乳を与えて育ててくれた・・・」と、育児するのは当然のことなのですが、それに対する深い感謝の歌です。
これを、幼稚園児から覚えます。
こうして、タイの子供たちの頭の中には、ごく当たり前に母への感謝や敬愛が深く刷り込まれていくのです。(洗脳?)
その次は、児童の代表による「タイ舞踊」を王妃に捧げます。(正確には、「王妃の肖像画」に・・・ですが。)

それから、先生方が自身のお母さんを招待しており、その先生のお母さん(もうかなりのご高齢、でも毎年参加されているので、毎年何だか安心します。)先生方とそのお母さん方が舞台に上がって、感謝の意を込めて、タイでは普通、下につけない頭を、お母さんの足の甲に付けて深い感謝を表し、その後、マリ(=ジャスミン)の花を捧げ、お母さんが子供の頭を撫でたり、抱擁し合います。
それが終わると、今度は、幼稚園児のお母さんから順番に、舞台に上って行き、先ほどの先生とそのお母さんたちと同じ行動を繰り返します。


我が家の子供4人のうち、3人が小学生だった数年前は、上がっては降り、また上がって・・・とそれぞれの学年で3回繰り返したものですが、今年は2人なので、2回舞台に上りました。

我が家の次男(中央)も今年は六年生、この学校で最後の「ワン・メー」でした。
この舞台の上で、母に捧げるジャスミンを用意するのですが、今年は、次男は奮発して、自分の小遣いから20バーツのジャスミンのプワンマーライ(花輪)を買って母に捧げてくれました。
一方、三男は初めての「ワン・メー」で、何が何だか分からない様子でしたが、皆が会場脇で売っている造花のジャスミンのブローチを買っているので、何だか自分も欲しくなり、母にねだって、これも、これも・・と2個も買って満足していました。
そして、本来は舞台上で母につけて上げるはずのに、自分で付けて喜んでいました。
舞台から降りた先生方とそのお母さんは、たくさんの子供から敬愛のしるしに、このジャスミンのブローチを贈られるので、もう胸中がジャスミンのブローチでいっぱいになっていました。

これが、三男が欲しがったジャスミンのブローチです。

このシンプルなもので、一個5バーツ、もう少し飾りが多いと、6バーツ、12バーツ程度なのですが、我が家は子供が4人なので、これが毎年、増える一方で、値段的には大したことはないのですが、貧乏性の私には何だか勿体無くて、「去年の使ってもいいのに・・・」とか、「兄弟で使い回せばいいのに・・」と思ってしまうのです。
でも、まあ、結局は来年まで取って置こうと思っても、いつの間にかなくなっていたりするのですが・・。
こうして、今年のワン・メーは無事終わりました。
さて、明日は、主人の実家に行って、義母を囲んで親戚で食事をする・・・「ワン・ヤー」(お祖母ちゃんの日)です。
・・・というのは、私が勝手に言っているだけですが・・・。
やはり、タイの社会では女性が、しかも年を取れば取るほどゆるぎない存在になります。
学校行事以外では、我が家にとって「ワン・メー」と言えば、「(主人の)母の日」つまり、子供たちにとっても、「お祖母ちゃん」の日に他ならないのです。
タイ田舎生活の日常を描いた、姉妹ブログ『イサーンに埋没中』も併せてお楽しみください。
より深い日常タイ語への理解のために・・・ランキングに参加しています。

「ワン・メー」はその名の通り 「母の日」ですが、この日が「母の日」になっているのは、現・王妃の誕生日だからなので、普遍的なものではありません。(不敬罪に当たりそうなので、大きな声では言えませんが、数十年後には別の日になっていることも考えられます。)
タイの「母の日」は、王妃の誕生日なので、国内の祝典行事でまず、国王・王妃賛歌が歌われますが、基本的にはそれぞれ自分の「母」を敬い感謝する日です。
しかし、12月5日の 「ワン・ポー・ヘン・チャート」は国王の誕生日ですが、こちらは、もう100%国王のみを敬い崇める日で、一般の「父」に対する感謝は、微塵もありません。
毎年、この違いは何だろう・・・?と思うのですが、これは、「タイの国王がそれほど国民の崇拝を受けているから・・・」ということもありますが、「タイは基本的に女系社会なので、タイの父親の尊厳が、母親に比べてほとんどない?」と言うことだと思っています。
理由はともあれ、「ワン・メー」は毎年、学校行事があり、今年も相変わらず出かけてきました。
(本来は12日が「ワン・メー」なのですが、当日は休みになるので、前日に行われます。)
まず、朝の8時半前には、ほとんどの児童のお母さんまたは、伯母さん、お祖母ちゃんが学校に集まりました。
本来なら、どの子もお母さんが来るのが理想なのですが、現実には本当のお母さんと暮らしている子供は、半数以下です。
親がバンコクや外国に出稼ぎに行ったり、すでに亡くなっていたり、両親が離婚して、お祖母ちゃんに預けられている・・・などという子供が半分以上います。
でも、皆、本当のお母さんのように暮らしているので、お祖母ちゃんだろうが、伯母さんだろうが、「母」として感謝しています。
私自身は、我が子ほど大事なものはないと思っていますが、最近の日本の事件や、タイでも多い、育児放棄するような親の元にいるよりは、親戚はもちろん、たとえ赤の他人だとしても、愛情を持って育ててくれる方がいいのかも知れません。
まず、行事が始まる前に、ワン・メーに関する作品で、賞を取った児童たちの展示物を見て回ります。
今回は、次男も王妃の絵を描いて、2位をもらいました。
他にも、母に関する感謝や、母の偉大さを表現した絵が並びます。
校長先生の挨拶で、行事が始まると、まずは、「国王・王妃賛歌」の合唱です。(「コーデチャー・・・」と言う出だしのテンポの良い曲です。)
日本では、教師が「君が代」を歌うとか歌わないとかよく問題になりますが、ここタイではそういうレベルではありません。
国歌や国王賛歌を歌うのはタイ人として当然のこと。
疑問に思うどころか、皆が競って喉が嗄れるのでは?とこちらが心配したくなるくらいの大声で、大人も子供も大合唱です。
特に、低学年の子などは、「わかったから、叫ぶなー!!」とこちらが叫びたくなるような調子です。
そして、ワン・メーと言えば、「プレーン・カー・ナム・ノム」(「ありがたき母乳の歌」?)。
ちょっと変な訳ですが、内容は、「お母さんが、自分を産んで、母乳を与えて育ててくれた・・・」と、育児するのは当然のことなのですが、それに対する深い感謝の歌です。
これを、幼稚園児から覚えます。
こうして、タイの子供たちの頭の中には、ごく当たり前に母への感謝や敬愛が深く刷り込まれていくのです。(洗脳?)
その次は、児童の代表による「タイ舞踊」を王妃に捧げます。(正確には、「王妃の肖像画」に・・・ですが。)
それから、先生方が自身のお母さんを招待しており、その先生のお母さん(もうかなりのご高齢、でも毎年参加されているので、毎年何だか安心します。)先生方とそのお母さん方が舞台に上がって、感謝の意を込めて、タイでは普通、下につけない頭を、お母さんの足の甲に付けて深い感謝を表し、その後、マリ(=ジャスミン)の花を捧げ、お母さんが子供の頭を撫でたり、抱擁し合います。
それが終わると、今度は、幼稚園児のお母さんから順番に、舞台に上って行き、先ほどの先生とそのお母さんたちと同じ行動を繰り返します。
我が家の子供4人のうち、3人が小学生だった数年前は、上がっては降り、また上がって・・・とそれぞれの学年で3回繰り返したものですが、今年は2人なので、2回舞台に上りました。
我が家の次男(中央)も今年は六年生、この学校で最後の「ワン・メー」でした。
この舞台の上で、母に捧げるジャスミンを用意するのですが、今年は、次男は奮発して、自分の小遣いから20バーツのジャスミンのプワンマーライ(花輪)を買って母に捧げてくれました。
一方、三男は初めての「ワン・メー」で、何が何だか分からない様子でしたが、皆が会場脇で売っている造花のジャスミンのブローチを買っているので、何だか自分も欲しくなり、母にねだって、これも、これも・・と2個も買って満足していました。
そして、本来は舞台上で母につけて上げるはずのに、自分で付けて喜んでいました。
舞台から降りた先生方とそのお母さんは、たくさんの子供から敬愛のしるしに、このジャスミンのブローチを贈られるので、もう胸中がジャスミンのブローチでいっぱいになっていました。
これが、三男が欲しがったジャスミンのブローチです。
このシンプルなもので、一個5バーツ、もう少し飾りが多いと、6バーツ、12バーツ程度なのですが、我が家は子供が4人なので、これが毎年、増える一方で、値段的には大したことはないのですが、貧乏性の私には何だか勿体無くて、「去年の使ってもいいのに・・・」とか、「兄弟で使い回せばいいのに・・」と思ってしまうのです。
でも、まあ、結局は来年まで取って置こうと思っても、いつの間にかなくなっていたりするのですが・・。
こうして、今年のワン・メーは無事終わりました。
さて、明日は、主人の実家に行って、義母を囲んで親戚で食事をする・・・「ワン・ヤー」(お祖母ちゃんの日)です。
・・・というのは、私が勝手に言っているだけですが・・・。
やはり、タイの社会では女性が、しかも年を取れば取るほどゆるぎない存在になります。
学校行事以外では、我が家にとって「ワン・メー」と言えば、「(主人の)母の日」つまり、子供たちにとっても、「お祖母ちゃん」の日に他ならないのです。
タイ田舎生活の日常を描いた、姉妹ブログ『イサーンに埋没中』も併せてお楽しみください。
より深い日常タイ語への理解のために・・・ランキングに参加しています。

Posted by バットニャオ at 04:03│Comments(6)
│タイの行事
この記事へのコメント
今日は。
「ワン・メー」。良いですね。良い響きです。
ジャオポーの裏の市庁舎前庭にも王妃の大きな肖像画が飾られ、本日の式典待ちとなっています。
嬉しかったのは、その肖像画の下の大きな写真に王妃と一緒に写られています、美智子妃殿下(今は違う呼び名ですか失礼しました。)のお姿です。気がついた時は嬉しかったです。
良い記念日ですね。‥ ‥
「ワン・メー」。良いですね。良い響きです。
ジャオポーの裏の市庁舎前庭にも王妃の大きな肖像画が飾られ、本日の式典待ちとなっています。
嬉しかったのは、その肖像画の下の大きな写真に王妃と一緒に写られています、美智子妃殿下(今は違う呼び名ですか失礼しました。)のお姿です。気がついた時は嬉しかったです。
良い記念日ですね。‥ ‥
Posted by 阿羅漢 at 2010年08月12日 11:27
阿羅漢さん、こんばんは!
そうなんですか?
市庁舎の庭に美智子皇后(ですよね?)のお姿が・・。
私も夕方その前を通って、主人の実家に持っていく海老を買いに行ったのですが、気がつきませんでした。
そうなんですか?
市庁舎の庭に美智子皇后(ですよね?)のお姿が・・。
私も夕方その前を通って、主人の実家に持っていく海老を買いに行ったのですが、気がつきませんでした。
Posted by バットニャオ at 2010年08月13日 03:29
私もオー2の息子に手作りのカードと、フォトプレートをもらいました。
ところで、父の日、お祝いしませんか?
息子の幼稚園では父の日もしっかり行事があるし、だんなも父の日には帰省したり、
出来なくても電話をかけたりしてます。
確かにジャスミンのように象徴される『物』はないですけどね。
実際のところ、どうなんでしょうか???
ところで、父の日、お祝いしませんか?
息子の幼稚園では父の日もしっかり行事があるし、だんなも父の日には帰省したり、
出来なくても電話をかけたりしてます。
確かにジャスミンのように象徴される『物』はないですけどね。
実際のところ、どうなんでしょうか???
Posted by NAT♪ at 2010年08月16日 19:03
母の日にジャスミンなんて香りが伝わってきそうです。
タイは母系社会なんですか!
おばあちゃまにまで心遣いされるパットニャオさんの優しさに心癒されました。
子供たちもそれぞれ大きくなっていかれる様子が今日もよく描かれていて楽しく拝見しました。
タイは母系社会なんですか!
おばあちゃまにまで心遣いされるパットニャオさんの優しさに心癒されました。
子供たちもそれぞれ大きくなっていかれる様子が今日もよく描かれていて楽しく拝見しました。
Posted by チャンドラ at 2010年08月20日 15:24
NAT♪さん、こんばんは!
息子さんはミックより一つ上なんですね。
ところで、父の日、学校での
行事は行われますが、母の日のように、お母さんが呼ばれて・・という行事ではないような気がします。
お父さんの招待はないし、子供たちが国王に捧げるだけ・・という印象です。
NAT♪さんの幼稚園では、お父さんの参加がありますか?
私には、「国王の日」という印象しかありませんでした。
チャンドラさん、こんばんは!
ジャスミン、日本人にはあまり馴染みがないですよね。トイレの芳香剤とか・・・?
私は、心遣いなんてほどではないです。
全ては主人の「母思いの心」にしたがっているだけです。
嫌だとか言おうものなら、離婚話まで発展しそうですから。
我が家は母への文句はご法度なのです。
息子さんはミックより一つ上なんですね。
ところで、父の日、学校での
行事は行われますが、母の日のように、お母さんが呼ばれて・・という行事ではないような気がします。
お父さんの招待はないし、子供たちが国王に捧げるだけ・・という印象です。
NAT♪さんの幼稚園では、お父さんの参加がありますか?
私には、「国王の日」という印象しかありませんでした。
チャンドラさん、こんばんは!
ジャスミン、日本人にはあまり馴染みがないですよね。トイレの芳香剤とか・・・?
私は、心遣いなんてほどではないです。
全ては主人の「母思いの心」にしたがっているだけです。
嫌だとか言おうものなら、離婚話まで発展しそうですから。
我が家は母への文句はご法度なのです。
Posted by バットニャオ at 2010年08月21日 03:27
そんな芳香剤だけじゃなく、私はジャスミン茶も良く飲みますよ。
悪い方ではないのですが、「義母への文句」私も思いっきり叫びたい今日この頃です。
悪い方ではないのですが、「義母への文句」私も思いっきり叫びたい今日この頃です。
Posted by チャンドラ at 2010年08月25日 16:08