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2012年07月07日

タイ人の道徳

 昨日、Facebookの仲間でタイ在住で二人の子供のお母さんが、小1の長男の筆記用具が毎日のように無くなること、そして自分の子供のカバンに他の子供の物が入っている…という話があって、皆でコメントを書いていた。

 実は、これはタイではごく当たり前のことで、私も最初は幼稚園児くらいだから、他人の物、自分の物の区別が曖昧なんだろうと思っていた。

 でも、コメントにあったのだが、これは幼稚園児ばかりの話ではなく、大人になってもそのまま続く、タイ人の性質なのだと言うことに気が付いた。

  
 ちょうど、その話と結びついたのが、今日の昼頃、主人と観ていたテレビ番組だった。
それは、アジア人のレポーターがチェコスロバキアを訪れ、そこの文化や名所、料理などを紹介するものだった。

 ちょうど料理の紹介をしていたときである。
主人がいきなり、「西洋人や日本人は、別々の皿でそれぞれに食べるよな、インド人やアラブ人なんかもそうだし。」とまるで、西洋的な個人主義を非難するような口調で言った。
 なので、私も「じゃあ、タイの仲間は?中国?」と答えてみた。
主人は、「ラオスとかミャンマーもそうかな?」と言っていたが、そういう国がいい国だと言いたげな物言いだった。
 しかし、私に言わせれば、食はそれぞれの文化で、日本人や西洋人が冷たいからこういう形式になっているのでもなく、日本人を例にとれば、それは、和食の文化の歴史が形成された頃から、膳に椀や皿を並べてそれぞれ別個に食べるのが日本の文化であり、タイのように中国式に大皿から取り分ける形式の国もそれぞれの文化なのだ。
 分け合わないからと言って、それを冷血漢だと判断する基準にするのはどうかと思う。
 
 実際、主人の口調にはそれぞれ別の皿で食べることへの非難があったし、それは普段の日本人への非難からも察することが出来た。

 主人は助け合いを尊重する。
子供への口癖も、何でも分け合うように…というのが信条である。

 私も、そういうことの意義もわかるが、個人主義というか、それぞれのプライベートや、私物なんかの権利は守って欲しいと言うのが、やはり日本人として育って来たせいか譲れないところでもある。
 そういうところを、主人に言わせれば、「チャイダム(冷たい)だ。」となるのである。

 でも、他人に貸さなかったり、分けなかったりすると「チャイダム」だと非難するのは、何もうちの主人だけではなく、他のタイ人もそうであるようだ。


 うちの長男は、性格と言うか日本的な部分が多く、私に似ているので、必要があれば貸したりはするが、自分の所有物はきちっと分けたがる方である。

 逆に次男は、そのとき自分に必要がないものであれば、誰が持って行こうが気にしない。
完璧にタイ人タイプのようだ。
 
 そして、三男。
うちの三男も毎日、鉛筆や消しゴムが無くなり、代わりに他人のノートとかおもちゃをカバンに入れて帰って来るという、生まれながらにしてのタイ人である。

 これが幼稚園時代だけで、大きくなるに連れて直るかと言うとそうでもない。

 うちの義姉の旦那は、我が家が客から買い取った中古バッテリーで使えそうなものがあると、すぐに持って行ってしまう。
家の前に何か使えそうな物が置いてあると、すぐに持って行くのも日常茶飯事だ。

「何か無くなったら、まず義姉の家に探しに行け!」
というのは、我が家の常識である。

 
 「コーンクライコーンマン」という言い方がある。

「誰かの物はそいつの物」つまり「お前の物はお前の物」という意味で、個人の所有を分けるという意味だが、これはお互いに自分の物を認識しようといういい意味ではなく、例えば、後始末などをしなくてはいけないときに、「自分の物は自分でやれ!」(俺は知らないぞ!)のような意味合いが強い。

 私は、普段は分かち合いを主張するのだったら、こういうときも協力してやれ!と思ってしまう。
 あるときは分かち合って、都合が悪くなると「俺は知らん!」では都合が良すぎないだろうか?



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Posted by バットニャオ at 04:22│Comments(7)タイでの子育て
この記事へのコメント
なるほど。
① 別々の皿に取り分けるのは、元々は貧しくて、量が足りず、喧嘩を避けるための算段だと思っていました。
② 昭和20年代や30年代の前半くらいまでは、親が兄弟姉妹によりたくさん取り分けることのないよう神経を尖らせていました。(欧米でも数十年前までは一般大衆は貧しくて、同じような状況だったと聞きます。)このあたり、仕事がなくなったら研究してみようかなあ.....
③ お書きになるものの一つひとつがとても勉強になります。ありがとうございます。
Posted by p_tak at 2012年07月07日 10:08
★ クイッティオはそれぞれに分けてあるはずですが。
カノムチーンとか。
Posted by ピヤポン at 2012年07月08日 07:56
細かく分けるという観念自体が欧米的な合理主義から来た発想だという指摘もありますね。

工場作業の合理化が、仕事分担へと繋がって、なんでも分けるという発想に繋がり、自分と他人を分け隔てるスタイルへと繋がった、という話ですが。

それが不人情かどうかは、一考の価値がありそうです。

個人的には、不人情に繋がってる部分は否定できないかと思います。
逆に、なんでも人情でベタベタなのもどうかと思います。 バランス難しいですね。
Posted by muga at 2012年07月09日 01:10
今週になってからは まだ鉛筆1本紛失(買ったから プラマイゼロ計算?)ですんでおります。自分と他人の所有物の区別がつくようになるのは まだまだ。。。
我が子のカバンを 他人の物が入っていないか不信感をいだきながら ガサガサしてる時ほど むなしいことはないです。とほほ・・・。
Posted by maki at 2012年07月11日 16:49
今週になってからは まだ鉛筆1本紛失(買ったから プラマイゼロ計算?)ですんでおります。自分と他人の所有物の区別がつくようになるのは まだまだ。。。
我が子のカバンを 他人の物が入っていないか不信感をいだきながら ガサガサしてる時ほど むなしいことはないです。とほほ・・・。
Posted by maki at 2012年07月11日 16:49
タイで10年子育てをして昨年日本に帰国したものです。 うちもハーフなので、現地校(ラタバーン)に行っていました。本当にものがなくなります。サンリオの消しゴムとか持って行った日には、もうあっという間! うちの子も、しまいには、かわいくない安いものを持っていくと言っていたくらい…

昨年秋から、日本の学校に通い始めましたが、
小2の子でさえ、何もなくしてきません。
とにかく、学校は名前を書いて!とうるさいくらいですので、なんにでも名前をつけているので、
落としても、名前が書いてあれば戻ってきます。

その前に、勝手に持っていく子は多分いないでしょう。

タイ人の場合、借りたことを忘れる。ってことも
あると思います。悪気はないんだな~とは思いますが。前にタイの学校に行ったときに、娘の色鉛筆を使っていた子供がいました。使い終わると、そのまま机に置きざりで去っていきました。
「これ、だれの?」 と聞くと、「あ、そうだ、借りてたんだ」と言って、返しに行きました。
忘れてたんだか、面倒くさかったのかは不明ですが…。


書いていて思いましたが、金銭の貸し借りにも似てますね。借りたら最後、忘れる… 何かしてもらっても忘れる… 人に悪いことをしても忘れる… 

だから、「もうこれからはしないよ~」って、反省したようなふりをして、また同じことを繰り返すんですよね!!(最後は愚痴になりました(__)
Posted by わーん at 2012年07月13日 08:19
コメントを下さった皆様、しばらく足が遠のいていて、すっかりコメントの返事が遅れてしまいました。大変申し訳ありません。

p_takさん、こんばんは!
こちらこそ、コメントの一つ一つが大変勉強になります。

ピヤポンさん、こんばんは!
久々の★コメントですね。
その通りです、あれを家族で食べてたら…、想像するとおかしいです。

muga さん、こんばんは!
そうですね、不人情も人情ばかりもどちらも困りますよね。やはりバランスが大事なんでしょうが、私も主人もそれぞれに偏りがちです。

makiさん、こんばんは!
子供のカバンの中身を検査するのは、タイの子育てで自分たちがタイ人化しないための必須事項だと思って、頑張りましょう。でも、私は最近惰性が強くなって、まあいっか…とタイ人化に拍車が掛かっております。


わーんさん、こんばんは!
日本に戻られたんですね。ちょっと羨ましいような…。
でも、我が家の子供たちはもう日本人化できないでしょうが…。
確かに、タイ人は「誰の物」という所有意識に無頓着な人が多いですよね。
又貸しもごく当たり前。
貸したら、すぐに催促しないといつの間にか、どこかに行って行方不明になってしまいますからね。
タイ語の辞書にある「責任」と言う単語は、あってなきが如しですからね。
でも、コメントの最後のくだりを読んだところでは、日本に戻ってもまだタイ人に苦労しておられるようですね。
頑張ってください!
Posted by バットニャオ at 2012年08月11日 01:12
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