2010年07月20日
古物屋
家の前のダンボールの山とお手伝いミック。
今日は我が家の長男の16歳の誕生日だった。
この年にもなれば、物欲は増すばかりで、欲しいものがどんどん出てくるものである。
我が家の主人の方針は、「自分の意思で買いたいものは自分で稼げるようになってから買え!」なのだが、まだ中高生なのだから、そうそう簡単に稼げるものではない。
しかも、ここはタイのド田舎であり、日本の中高生がやっているのようなコンビニやファーストフードなどのアルバイトはまずない。
よく主人が言うのは、「自分は昔、リーバイスのジーンズが欲しくて、サトウキビ畑でサトウキビを担ぐアルバイトをして買った。」という自慢話である。
それを聞いて育った長男は、養豚を思いつき、飼い始めては見たのだった。
しかし育てている内はいいが、学校で叩き込まれた仏教の教えから、売るときに感じる罪悪感により、養豚ビジネスの道を諦め、これからのお小遣い稼ぎの道は路頭に迷っていた。
というわけで、今小遣い稼ぎの失業中の長男は、とりあえず店の前に溜まっている段ボール箱やペットボトル、廃ハイドリックホースなどを集めて、昨日の日曜日に売りに行った。
今回は一ヶ月くらい溜め込んでいたので、かなりの量になり、オートバイの後ろにリアカーを掴んで運ぶのだが、普段の2回くらいから、今回は5回の往復となった。
今回は、いつも長男と行動を共にする次男三男に加え、最近、好きな恋愛小説にハマっている長女も、小説を買うお金欲しさにこの廃品回収に参加し、4人で2,200バーツ以上を稼ぎ出した。
持ち込み先は、 我が家から200メートルほどのところにある、ร้านรับซื้อของเก่า、その名の通り「古物屋」である。
我が家は、家の前に、常時仕入先から送られてきたダンボールが山になっており、家の脇には用済みのハイドリックホースがこれまた山積になっているので、よく廃品回収をして生計の足しにしている農民の人々が、売ってくれないかと聞きに来る。
しかし、我が家は目と鼻の先に古物屋があって、いつでも売りに行けるので、丁寧にお断りすることにしている。
それに、こういう人が仲介に入ると、その分価格が下がるというか、本来、古物屋に直で持っていけば、紙類なら1㎏あたり、4.5バーツなのだが、仲介業者は4バーツとか、3.5バーツくらいで引き取るようになっている。
ここのところの相場は、紙類で、4.5バーツ、混合鉄類が5バーツ、鉄のみなら8バーツ、ペットボトルなどの透明プラスティックは4バーツ、透明でない混合プラスティックは少し値が下がるようだ。
アルミ缶は2個で1バーツという勘定になる。
実は、古物屋=ゴミ屋という感じから、貧乏なイメージであるが、この古物屋という商売は、とても利益が多い。
実際、長男の友達で、チャイヤプムの大きな古物屋の息子がいるのだが、彼は、自分の家の職業を馬鹿にした友達に、
「そうやって『ゴミ屋』と馬鹿にするが、オレの家の収入は、公務員をやっているお前の親より余程多いのは間違いない!」
と、自信満々に家の職業に対する冷やかしに答えたそうである。
最近知った話だが、我が家が日本から移住するに当たって、主人の母は、「もし、今の自動車部品屋の話がなければ、この古物屋をやらせようと思っていたんだよ。」と言っていた。
義母が自分の息子に勧めるほど、利益の多い商売なのである。
一歩間違えば、今頃我が家は、『ムアンチャイ・アライヨン』(ムアンチャイ自動車部品)ではなくて、『ムアンチャイ・コーンカオ』(ムアンチャイ古物屋)になっていたかも知れない。
そして、私は、毎日朝から晩まで、ゴミの山の中でゴミの仕分けをしていただろう・・・・。
そんなことを考えて、一時的にゴミのなくなった店の前を掃いていた。
ちなみに、2,200バーツの収入は、働きの多い少ないに関係なく、4人で平等に山分けされた。
これも我が家の決まりである。
16歳の長男も550バーツ、口ばかり動いてあまり働かない次男も550バーツ、文句ばかり言っている長女も550バーツ、大した手伝いもしていないが、4歳の末っ子ミックも550バーツ。
これで、しばらくは懐の暖かくなった我が家の子供たちである。
タイ田舎生活の日常を描いた、姉妹ブログ『イサーンに埋没中』も併せてお楽しみください。
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Posted by バットニャオ at 02:21│Comments(5)
│タイでの子育て
この記事へのコメント
ご長男もうそんなに大きくなられたんですネ!
今日もミックくんファンクラブに貴重な映像をありがとうこざいます。
彼もほんの少し大きくなったかな?
そして廃品回収がそんなに儲かるお仕事とはビックリです。
バイト料の均等分配も素晴らしいです。
お母様の教育の賜物と今日も感動しながら読ませていただきました。
今日もミックくんファンクラブに貴重な映像をありがとうこざいます。
彼もほんの少し大きくなったかな?
そして廃品回収がそんなに儲かるお仕事とはビックリです。
バイト料の均等分配も素晴らしいです。
お母様の教育の賜物と今日も感動しながら読ませていただきました。
Posted by チャンドラ at 2010年07月20日 10:13
こんにちは。
チャンドラさんも書かれていましたが、今回読んでいて私も一番気になっていた事が、最後にきて良い結果を見させていただき安心しました。
仕事の量で無く参加したことによる「平等分配」最高の家訓ですね。
これからもこの「心」を大切にしてください。
そして、日本的な家族の「和」良いですね。
チャンドラさんも書かれていましたが、今回読んでいて私も一番気になっていた事が、最後にきて良い結果を見させていただき安心しました。
仕事の量で無く参加したことによる「平等分配」最高の家訓ですね。
これからもこの「心」を大切にしてください。
そして、日本的な家族の「和」良いですね。
Posted by 阿羅漢 at 2010年07月20日 12:01
追伸:チョット気になったのですが、ミック君が抱えているものはなんですか。
Posted by 阿羅漢 at 2010年07月20日 12:04
こんにちわ~。
我が家にも廃品回収の人がやってきます。
義姉がためていたペットボトルやビン類を買ってくれるんですが、これがいつも攻防戦。
秤の針が曲がっているの、ビンに水が残っているの、ダンボールが湿気を吸って重いの、大変な騒ぎです。
このタイ人のパワーについていけない私は、いつもぼーっと見守るだけです。(情けない…)
それから、我が家の子供達(14と12)は食用コオロギの飼育を始めてみました。これは結構簡単で、すぐ収入になると言う話ですが、くいしんぼうの長男が売る前に全部食べてしまいそうです。
うまくいったらドゥー君におすすめいたしますね。
我が家にも廃品回収の人がやってきます。
義姉がためていたペットボトルやビン類を買ってくれるんですが、これがいつも攻防戦。
秤の針が曲がっているの、ビンに水が残っているの、ダンボールが湿気を吸って重いの、大変な騒ぎです。
このタイ人のパワーについていけない私は、いつもぼーっと見守るだけです。(情けない…)
それから、我が家の子供達(14と12)は食用コオロギの飼育を始めてみました。これは結構簡単で、すぐ収入になると言う話ですが、くいしんぼうの長男が売る前に全部食べてしまいそうです。
うまくいったらドゥー君におすすめいたしますね。
Posted by ぺんぺん草 at 2010年07月23日 00:13
チャンドラさん、こんばんは!
そうなんです、いつの間にか高校生、早いものです。
廃品回収は、家の周りのゴミがお小遣いになるので、投資が要らず、気軽に出来ます・・・面倒でさえなければ。
長男は大人になった分、腰も重くなってしまって、なかなか動き出さないのが玉に瑕です。
阿羅漢さん、こんばんは!
そうですね。兄弟均等なのは我が家というか私の気持ちからなっています。
タイでは普通、年功序列を基本とするので、兄弟は上の者を「ピー・〇〇」と呼ばなければなりませんが、私は、日本時代から「お兄ちゃん」とか、「お姉ちゃん」とかいう呼び方はしませんでした。
みんな私にとっては同じく愛する子供たちなので、それぞれの名前だけで呼んできました。
なので、生まれた順番で誰が偉いとか言うこともないし、家の中では平等だと言うことを強調しているので、山分けなのです。
ペンペン草さん、こんばんは!
そうなんですよね、買取に来る業者は自分の秤を持って来て、それに仕掛けがあったり(実際より少なくなるとか・・)、その攻防が大変ですよね。
ペンペン草さんのご長男はコウロギも食べるんですか?
我が家の子供はタガメも食べないのでコウロギも無理でしょうね。
大体ゴキブリにキャーキャー言っているくらいですから。
そうなんです、いつの間にか高校生、早いものです。
廃品回収は、家の周りのゴミがお小遣いになるので、投資が要らず、気軽に出来ます・・・面倒でさえなければ。
長男は大人になった分、腰も重くなってしまって、なかなか動き出さないのが玉に瑕です。
阿羅漢さん、こんばんは!
そうですね。兄弟均等なのは我が家というか私の気持ちからなっています。
タイでは普通、年功序列を基本とするので、兄弟は上の者を「ピー・〇〇」と呼ばなければなりませんが、私は、日本時代から「お兄ちゃん」とか、「お姉ちゃん」とかいう呼び方はしませんでした。
みんな私にとっては同じく愛する子供たちなので、それぞれの名前だけで呼んできました。
なので、生まれた順番で誰が偉いとか言うこともないし、家の中では平等だと言うことを強調しているので、山分けなのです。
ペンペン草さん、こんばんは!
そうなんですよね、買取に来る業者は自分の秤を持って来て、それに仕掛けがあったり(実際より少なくなるとか・・)、その攻防が大変ですよね。
ペンペン草さんのご長男はコウロギも食べるんですか?
我が家の子供はタガメも食べないのでコウロギも無理でしょうね。
大体ゴキブリにキャーキャー言っているくらいですから。
Posted by バットニャオ at 2010年07月25日 00:48