2010年12月19日
親孝行な子供の育て方
先日のこと。
朝から店の仕事に忙しく、食事を作る暇もないどころか、座る暇もないような一日だったので、その日の夕食は「外食にしよう!」ということになった。
外食と言っても、家で作らずに本当に家の外で済まそうというだけなので、何度か行ったことがある市場付近のバミー(タイ風ラーメン)屋に行くことにした。
ところが、あいにくその日は、前日まで行われていた「ガーン・ジャオ・ポー」の祭りのあとで、一週間に渡るお祭り騒ぎに疲れ果てたのか、市場の周辺は閑散としていて、お目当ての店がしまっていた。
仕方なく、親子6人を乗せた2台のバイクは、あまり気が進まないが、背に腹は代えられず・・ということで、次の店へ・・・。
ところが、何とここも閉まっている!
このままでは、親子6人の夕食が・・・。
閑散とした市場を見ながら呆然とする私たち・・・。
これから、ご飯を炊いて、冷蔵庫の残り物を漁っての夕食か・・・、でも子供はもうお腹を空かせているし・・。
と、途方に暮れながらもうひと回りぐるっと回ったところで、前に一度だけ行ったことがあるバミー屋さんが開いているのが見つかった。
そこは、私たちより年上らしい夫婦と、娘らしい女の子が手伝っている店だった。
私たちは、早速それぞれの注文をし、しばらくすると頼んだ品が運ばれてきた。
その日は、他の店がみんな休みと言うこともあってか、いつもより混んでいるらしかった。
手際よくバミーを茹でるのは父親、運んだりするのは母親と娘。
その娘は小学校4年生くらいの感じだったが、いつも手伝っているらしい様子がその手際に見て取れた。
こういうとき、我が家の父親はの口からは必ず、
「ほら、お前たちより小さいのに、よく家の仕事を手伝っているだろう!」とか、
「お前たちも見習え!」などというお小言が出るのだが、その日も例に漏れず、その手の愚痴が出た。
私は、父親の愚痴は気にも留めず、別のことを考えていた。
それは、その娘に対する父母の声の掛け方である。
「〇〇、ラーン・チャーン・ハイ・メー・ノイ」(直訳;「お母さんのためにお皿を洗って」)
「〇〇、タム・ニー・ハイ・ポー・ノイ」(直訳;「お父さんのためにこれをして」)
これがタイ語の特有の言い方・・というわけではないが、日本語では普通使わない表現である。
そして、タイ人が全てこういう言い方をするわけではないことは、私もよく知っている。
何故なら、我が家の父親は、子供たちに対してこういう言い方をすることが滅多にないからである。
我が家の父親がこういう言い方をするとすれば、酒気でも帯びてよほど機嫌が良いときくらいのものだろう。
普段の我が家の言い方は、
「〇〇!家の前を掃け!」とか、
「〇〇!あれを持って来い!」など、完全な命令口調なのである。
まあ、タイの年功序列制や、タイ人の「親は子供より偉い」という勘違い的な思い込みから考えれば、こういう命令口調でも構わないのだろうが、私はその日のバミー屋の親子の会話に「タイ語なら、こういう言い方をすればいいんだ。」と目からウロコだった。
よく、我が家の子供に愚痴る父親は、タイ人の常識の「親は子供を使って当然だ。子供は親に従うべきだ。」という概念の中で育ってきたらしく、普段から私に、
「どうして、子供を使わないんだ!だから子供が何もやらない、怠け者になる。」と文句を言うが、私的には、この「使う」という言い方が気に入らない。
「子供は道具じゃないんだから、そういう言い方をするな!」と、心の中で叫んでしまう。
私は、こういう子供に対する気持ちの持ち方が、子供の行動を左右するように思える。
それが証明されたように思えたのが、このバミー屋の親子の会話だった。
人間誰でも、自我が芽生えてくると、人に命令されることに反感を持つ。
逆に言えば、それが自我があるからこそ、その後の学校や社会で自己判断をしたり、いずれは自立することになる。
本で読んだのだが、9歳過ぎる頃から、今までの経験から自分の価値観で物事を判断し始める、という。
それが人間の本能なら、「××しろ!」と命令されれば反抗したくなるが、「××してくれる?」と頼まれるように聞かれたら、「うん、いいよ。」と自然に答えられるだろう。
今、思春期真っ盛りで、反抗期の長女にも、こういう言い方をすればいいのだろうな・・と心の中で思った。
このバミー屋の娘はこういう言葉掛けの中で育ってきたから、親を手伝うことが出来る親孝行な子供に育ったのだろう。
日本語でなら、子育ての勉強をしたりしているが、それをタイという日本と違った環境の中で活用するのに、いい表現がなかなか見つからないでいた。
これからは、私もこの言い方を真似してみようと思った。
タイ田舎生活の日常を描いた、姉妹ブログ『イサーンに埋没中』も併せてお楽しみください。
より深い日常タイ語への理解のために・・・ランキングに参加しています。
朝から店の仕事に忙しく、食事を作る暇もないどころか、座る暇もないような一日だったので、その日の夕食は「外食にしよう!」ということになった。
外食と言っても、家で作らずに本当に家の外で済まそうというだけなので、何度か行ったことがある市場付近のバミー(タイ風ラーメン)屋に行くことにした。
ところが、あいにくその日は、前日まで行われていた「ガーン・ジャオ・ポー」の祭りのあとで、一週間に渡るお祭り騒ぎに疲れ果てたのか、市場の周辺は閑散としていて、お目当ての店がしまっていた。
仕方なく、親子6人を乗せた2台のバイクは、あまり気が進まないが、背に腹は代えられず・・ということで、次の店へ・・・。
ところが、何とここも閉まっている!
このままでは、親子6人の夕食が・・・。
閑散とした市場を見ながら呆然とする私たち・・・。
これから、ご飯を炊いて、冷蔵庫の残り物を漁っての夕食か・・・、でも子供はもうお腹を空かせているし・・。
と、途方に暮れながらもうひと回りぐるっと回ったところで、前に一度だけ行ったことがあるバミー屋さんが開いているのが見つかった。
そこは、私たちより年上らしい夫婦と、娘らしい女の子が手伝っている店だった。
私たちは、早速それぞれの注文をし、しばらくすると頼んだ品が運ばれてきた。
その日は、他の店がみんな休みと言うこともあってか、いつもより混んでいるらしかった。
手際よくバミーを茹でるのは父親、運んだりするのは母親と娘。
その娘は小学校4年生くらいの感じだったが、いつも手伝っているらしい様子がその手際に見て取れた。
こういうとき、我が家の父親はの口からは必ず、
「ほら、お前たちより小さいのに、よく家の仕事を手伝っているだろう!」とか、
「お前たちも見習え!」などというお小言が出るのだが、その日も例に漏れず、その手の愚痴が出た。
私は、父親の愚痴は気にも留めず、別のことを考えていた。
それは、その娘に対する父母の声の掛け方である。
「〇〇、ラーン・チャーン・ハイ・メー・ノイ」(直訳;「お母さんのためにお皿を洗って」)
「〇〇、タム・ニー・ハイ・ポー・ノイ」(直訳;「お父さんのためにこれをして」)
これがタイ語の特有の言い方・・というわけではないが、日本語では普通使わない表現である。
そして、タイ人が全てこういう言い方をするわけではないことは、私もよく知っている。
何故なら、我が家の父親は、子供たちに対してこういう言い方をすることが滅多にないからである。
我が家の父親がこういう言い方をするとすれば、酒気でも帯びてよほど機嫌が良いときくらいのものだろう。
普段の我が家の言い方は、
「〇〇!家の前を掃け!」とか、
「〇〇!あれを持って来い!」など、完全な命令口調なのである。
まあ、タイの年功序列制や、タイ人の「親は子供より偉い」という勘違い的な思い込みから考えれば、こういう命令口調でも構わないのだろうが、私はその日のバミー屋の親子の会話に「タイ語なら、こういう言い方をすればいいんだ。」と目からウロコだった。
よく、我が家の子供に愚痴る父親は、タイ人の常識の「親は子供を使って当然だ。子供は親に従うべきだ。」という概念の中で育ってきたらしく、普段から私に、
「どうして、子供を使わないんだ!だから子供が何もやらない、怠け者になる。」と文句を言うが、私的には、この「使う」という言い方が気に入らない。
「子供は道具じゃないんだから、そういう言い方をするな!」と、心の中で叫んでしまう。
私は、こういう子供に対する気持ちの持ち方が、子供の行動を左右するように思える。
それが証明されたように思えたのが、このバミー屋の親子の会話だった。
人間誰でも、自我が芽生えてくると、人に命令されることに反感を持つ。
逆に言えば、それが自我があるからこそ、その後の学校や社会で自己判断をしたり、いずれは自立することになる。
本で読んだのだが、9歳過ぎる頃から、今までの経験から自分の価値観で物事を判断し始める、という。
それが人間の本能なら、「××しろ!」と命令されれば反抗したくなるが、「××してくれる?」と頼まれるように聞かれたら、「うん、いいよ。」と自然に答えられるだろう。
今、思春期真っ盛りで、反抗期の長女にも、こういう言い方をすればいいのだろうな・・と心の中で思った。
このバミー屋の娘はこういう言葉掛けの中で育ってきたから、親を手伝うことが出来る親孝行な子供に育ったのだろう。
日本語でなら、子育ての勉強をしたりしているが、それをタイという日本と違った環境の中で活用するのに、いい表現がなかなか見つからないでいた。
これからは、私もこの言い方を真似してみようと思った。
タイ田舎生活の日常を描いた、姉妹ブログ『イサーンに埋没中』も併せてお楽しみください。
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Posted by バットニャオ at 03:23│Comments(7)
│タイでの子育て
この記事へのコメント
すごくためになりました。こういう言い方をタイ人にすると良さそうですね。早速、使ってみます!ありがとうございます!
Posted by ぱう at 2010年12月19日 08:56
バットニャオさん、おはようございます。
タイにきて、この「ハイ」という単語の使い方に、どんなに迷ったことか…
例えば会社で、部下にモノを頼むと、こういう言い方をされることがあります。
昔は、そのたびに「カチン!」ときていたのですが、この言い方がタイ人にとって自然だとわかってからは何も感じなくなりました。
人のふり見て、我がふり直せ。ということで、私もこれに従い、「ハイ」を使う事にしていますが、なんとなくですが、物事がうまくいくようになった気がします。
ちなみに、我が妻は、生後1ヶ月の息子に、この言い方で話しかけてます…
まだ何もわからないような気もするのですが‥
タイにきて、この「ハイ」という単語の使い方に、どんなに迷ったことか…
例えば会社で、部下にモノを頼むと、こういう言い方をされることがあります。
昔は、そのたびに「カチン!」ときていたのですが、この言い方がタイ人にとって自然だとわかってからは何も感じなくなりました。
人のふり見て、我がふり直せ。ということで、私もこれに従い、「ハイ」を使う事にしていますが、なんとなくですが、物事がうまくいくようになった気がします。
ちなみに、我が妻は、生後1ヶ月の息子に、この言い方で話しかけてます…
まだ何もわからないような気もするのですが‥
Posted by dam
at 2010年12月19日 12:09

私達の追求.
予約購買して、連絡して下さい。
期待!!
適切に以上はお願いします。
宜しくお願いします
予約購買して、連絡して下さい。
期待!!
適切に以上はお願いします。
宜しくお願いします
Posted by 私達の追求. at 2010年12月19日 18:57
こんにちは
クリスマスにすぐに着きます
当店は新しくて古い取引先に礼を言って、
商品を買って、増加して送る贈り物があって、
予約購入を歓迎します。
ありがとうございます。
クリスマスにすぐに着きます
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商品を買って、増加して送る贈り物があって、
予約購入を歓迎します。
ありがとうございます。
Posted by こんにちは at 2010年12月19日 20:01
今晩は。
言葉の響きと言いますか、表現の仕方一つで相手に与える影響力は多大なものが有りますね。
人(子供)を育てるのにも、言葉使いが大切ですね。
武道の練習の時もそうです。相手の伝える言葉は本当に選びます。
今日は大変勉強をさせていただきました。
言葉の響きと言いますか、表現の仕方一つで相手に与える影響力は多大なものが有りますね。
人(子供)を育てるのにも、言葉使いが大切ですね。
武道の練習の時もそうです。相手の伝える言葉は本当に選びます。
今日は大変勉強をさせていただきました。
Posted by 阿羅漢 at 2010年12月19日 22:10
☆ うちの娘が言っているのは、いつもお母さんが「マーハーメーノイ」と呼ぶのだそうです。
娘は愚痴ってましたが。
娘は愚痴ってましたが。
Posted by ピヤポン at 2010年12月22日 07:09
私もこのような物の言い方をしたいと思いました。
お勉強になりました!
お勉強になりました!
Posted by チャンドラ at 2011年01月04日 19:20